末期の時を迎える僕の耳に去来するメロディーたち
以前からこういう企画をやってみたいと考えていた。
僕たちがふだん耳にすることができる音楽はごく限られている。しかし、なかなか出会う機会のないものの中にも、いいものはたくさんある。というよりも、僕たちがいいと思うようになっていくのである（絶対的なものはないのではないか）。それらの中には、大きな時代の波の中で「名曲」と呼ばれているものもあるし、特別な思い入れによって、個々人の中で大切に温められているものもある。
後者について言えば、その素晴らしさをなんとか他人にもわかってもらいたい、感動を分かち合いたいという気持ちは、誰にでもあるに違いない。しかし特別のことでもない限り、ごく親しい友人たちの間でさえ、自分の秘蔵っ子を披露する機会はあまりないものだ。
そこであえてこういう形あるものを差し上げて、ふだん言えなかったことと共にじっくりと聴いてもらいたいのである。これがきっかけとなり、こういう動きが僕たちの間でわき起こればとも思っている。
感想等あれば手紙を書いてほしいし、君たちの秘蔵っ子も是非紹介してほしい。またこれらの歌手たちに関して更に深く掘り下げてみたければ、是非力になりたいし、僕も力を貸してほしい。他のジャンルについてもやってみたいと思っている。感想を寄せてほしい。
1986.9.24