末期の時を迎える僕の耳に去来するメロディーたち
このテープはもともと８０分テープというあまり市場性のないテープで作ったのがオリジナルだが、今回のダビングに９０分テープを使用したため、裏表それぞれ５分ずつの余裕が生まれたので、下記の３曲を特別版として加えたものである。
Ａ−12．水曜日のリセーヌ／岡村佳枝
本編にも出てくる岡村の幻の名曲。音源は、85年夏にラジオ日本でオン・エアーされた「ハロー・ヤング・ラブ・イン・後楽園」より。「幻」と書いたのは、巷の80年代アイドル・データベース（「アイドルＰＯＰＳ80-90〜80'sシングル・パーフェクト・コレクション〜」ジャズ批評別冊／91.11.10刊）によると公に発売されたことにはなっていないからである。そして、中古レコ−ド専門店にオーダーしても、そんなレコードは発売されていないと、はなからオーダーを受け付けてもらえない。ところが、今から10数年前、私の知人がそのレコードを所有しているという情報を入手した。その知人というのは、かつて原真祐美の追っかけをしていた時に知り合った人で、現在はもう50歳を超えているはずである。その知人には１年に１度位「水曜日のリセ−ヌ」はどうなりましたかと、電話しているのだが、家の中がビデオと雑誌の山になっていてとても探し出せる状態ではないという（本人談）。半ば諦めていたのだが、昨年（97年）パソコン通信ネット「ニフティ−・サ−ブ」のアイドル・エンタテイメント・フォーラム(FENTIDOL)で書き込みをしたところ、そのレコ−ドは確かに存在する、しかも見本盤やプロモート盤でなくレコ−ド屋で買った、という人が現れたのである。実家に帰った時に探してもらう約束になっているのだが、その人も非常に多忙な人らしくなかなか実家に帰る機会がないとのこと。現在、その人からの回答を気長に待っているところである。
彼女の数少ないレコードを見渡してみると、フランスを題材にしたものが多いのに気付く。本作の「リセエンヌ」（パソコン通信の氏によると正しくは「水曜日のリセエンヌ」だという。そしてレコ−ド・ジャケット裏の歌詞カードに「リセエンヌ」とは…と解説がついていた、というはっきりとした記憶があるという）とは、フランスの中高校生のことだと、歌い終わったあと司会者とのやりとりがある。また、本作収録の「雨上がりのサンジェルマン」の歌詞にもフランス語が出てくるし、やはりジャケット裏にその歌詞の説明が付いている。他にも「パリ行きエア・ライン」という曲やシルビ−・バルタンでヒットした「アイドルを探せ」の日本語バージョンも歌っている。これら彼女の「フランス路線」は後から気付いた興味深い特徴である。
Ａ−13．ポラピッヒャンギ（紫色の香り）／カン・スジ（姜修智）
韓国の女性歌手カン・スジ（日本では最近「ス−ジー・カン」という名前に統一された）のデビュ−曲。95年に日本で彼女のベスト盤が発売されたのをたまたま買ったことで、彼女を知るようになった。学生時代、韓国語を少々勉強したこともあり、美しい発音の韓国語で歌う彼女に段々と関心が向くようになっていった。
97年にはミュ−ジカル「銀河鉄道９９９」のクレア役で来日。その公演を見に行ったことで、完全に彼女のファンになってしまった。韓国では、数年前にある男性歌手とのスキャンダル（熱愛→結婚宣言→破局）があり、デビュ−当時ほどの人気はなくなったという。そういう経緯もあってか、「９９９」公演後も日本で活動していきたいと本人は希望しているという。
Ｂ−12．シガンソゲヒャンギ（時間の中の香り）／カン・スジ（姜修智）
91年のカン・スジのヒット曲。